健康な食事について考えるブログ

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不飽和脂肪酸がトランス脂肪酸に変貌…マーガリン・植物油・パン・お菓子に注意。

      2018/10/20

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「トランス脂肪酸はからだに良くない」という噂は、皆さんもすでにお聞き及びのことと思います。

トランス脂肪酸は、マーガリンやショートニングをはじめ、これを原材料としている市販のパンやクッキー・ケーキなどのお菓子類に多く含まれると言われます。

また、サラダ油やキャノーラ油、その他スーパーで大量に市販されている安価な植物油にも、製造過程で生じるトランス脂肪酸が含まれています。

 
確かに私たちの健康に悪影響を及ぼすようですが、まるでお化けのように実態がつかめない「トランス脂肪酸」とは、実際のところ一体どんな油なのでしょうか?

そして、なぜ摂取しないほうがよいと言われるのか?
具体的にどんなデメリットやリスクがあるのか?

この記事では、それらを具体的に分かりやすくご説明したいと思います。

トランス脂肪酸って、そもそも一体どんな脂肪?

トランス脂肪酸は、食品工業において植物油脂を加工する際に、不飽和脂肪酸の一部が構造変化して変性したものです。

 
特に、マーガリンやショートニングなど硬化油の精製過程で最も多く生じると言われます。

硬化油とは、常温で液体である不飽和脂肪酸を固体化するため、これに水素を添加して化学構造を変え、飽和脂肪酸にするものです。

この工程の一部で、水素との結合に失敗して飽和脂肪酸となりきれなかった不飽和脂肪酸の構造に“ねじれ”が生じ、トランス脂肪酸となってしまいます。

 
また、サラダ油など植物油を製造する際、臭みを取るために高温にかけて脱臭する工程があります。
この脱臭工程においても、トランス脂肪酸が生じることが分かっています。

つまりトランス脂肪酸とは、全く人為工業的につくられてしまう脂肪酸なのです(ごく少量ですが自然界にも一部存在します)。

トランス脂肪酸が多く含まれている、摂取を避けたほうがよい食品とは?

マーガリン・ファットスプレッド・ショートニングといった植物油脂を原料とした硬化油製品、これらを原料としたパン・クッキー・ドーナツ・ケーキ・ビスケットなどの菓子類、そしてサラダ油・キャノーラ油・天ぷら油・マヨネーズといった市販の植物油に多く含まれます。

コーン油・大豆油・菜種油・米油といった名称で売られている植物油は、昔ながらの圧搾製法など未精製のものであればトランス脂肪酸の含有量は少ないと考えられます。

しかし、スーパーの棚にたくさん並んでいる安価な植物油は、ほとんどが溶剤抽出によって精製され、つまり高温による脱臭加工も為されていますので、そこそこの量のトランス脂肪酸を含むと考えた方がよいでしょう。

ちなみにゴマ油は、精製された加工油であっても比較的トランス脂肪酸が少ないと言われます。

なぜトランス脂肪酸は体に悪いの?

トランス脂肪酸の健康への悪影響として確実だとされているのは、LDLコレステロール値を高めて心疾患のリスクを高めることです。

また他にも、肥満や脂質異常、高血圧や高血糖との関連性も、多くの研究から指摘されています。

トランス脂肪酸の規制を進める、国連や世界各国の対策とは?

そこで2003年にWHO(世界保健機構)とFAO(国連食糧農業機関)は、トランス脂肪酸の摂取量を全摂取エネルギーの1%未満にするよう勧告を出しました。

これを受けて欧米諸国はトランス脂肪酸の規制に乗り出し、食品中に含まれるトランス脂肪酸の含有量の表示を義務づけるなどの施策を取っています。

またアメリカでは2013年、マーガリンや水素添加された植物油など硬化油類を加工食品に使用する際には、それが無害であることを証明する書類とともにFDA(アメリカ食品医薬品局)に食品添加物として届け出るよう、食品メーカーに義務づけました。

しかし実質、トランス脂肪酸の有害性はほとんど全ての研究データから一致をみている状態なので、硬化油が無害であることを示すのはほぼ
不可能であり、上記のFDAの措置は“硬化油の使用の全面禁止”とほぼ同等の対応であると考えられます。

日本国内における、トランス脂肪酸規制の現状は?

海外ではこれほどに規制が強化されているトランス脂肪酸ですが、わが国では「日本人は欧米人に比べてトランス脂肪酸の摂取量は少なく、平均的に全摂取エネルギーの0.5%程度に過ぎないので、現時点では特にリスクの心配はない」との理由で、現在のところはメーカーの自主規制に委ねられています。

しかし最近、日本の女性や若年層は1%を超えてトランス脂肪酸を摂取しているという調査報告も出てきたため、将来的には全食品におけるトランス脂肪酸の含有量表示の義務化を目指して、2011年、メーカーが任意表示する際の指針を消費者庁がまとめて発表しました。

この政府の指針を受け、また食品に対する安心・安全やヘルシー志向に対する国民の意識の高まりも考慮して、自発的にマーガリンや植物油のトランス脂肪酸含有量を公表、またはトランス脂肪酸の低減化を行って情報開示する大手メーカーも増えてきました。

「日本人はトランス脂肪酸の摂取量が少ないから、心配はいらない」というのは本当?

政府が公表している上記の「(日本人のトランス脂肪酸の摂取量は)全摂取エネルギーの0.5%程度に過ぎない」というのは、あくまでも全国民の“平均的な値”です。

実際には、私たち一人一人の食事内容も脂質摂取量もそれぞれに異なります。
つまり普段から外食・ファストフード・甘いもの等を好んでよく食べる方は、ともすればトランス脂肪酸も多く摂取してしまう可能性があります。

何よりも私たち消費者一人一人が、自らの健康と食生活により深い関心を持って情報を集め、マーガリンやショートニングなど硬化油を使用したパンや菓子類は食べない、植物油は少々値が張っても原料から直接搾り取られた未精製のものを購入するなど、極力トランス脂肪酸を摂らない食事を心がけることが大切です。

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸、果たして本当にヘルシーなのはどっち?

肉類や乳製品に多い飽和脂肪酸、魚油や植物油に多い不飽和脂肪酸。

飽和脂肪酸は、酸化しないけど肥満や脂質異常になりやすい?
不飽和脂肪酸は、過酸化脂質やトランス脂肪酸になりやすい?
オメガ3はヘルシーだけど、オメガ6は摂りすぎてはいけないって本当?

…等々、さまざまな種類の脂肪酸を巡って飛び交うあれこれの噂について、このブログでは幾つかの記事に分け、嘘か本当か分かりやすくお答えしています。

以下のような記事もご覧になって、それぞれの脂質のメリット・デメリットや、本当に健康的な脂質の摂り方について、ぜひ理解を深めてくださいね。

 
 

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