人工甘味料の危険な甘さ~どうしてゼロカロリーなの?
2015/09/30
「甘い食べ物、飲み物はカロリーが高い」というのが従来からの常識ですが、近年ではその古い常識を覆し、砂糖に負けない甘味があるにもかかわらず“ゼロカロリー”や“ノンカロリー”と称した商品が、食品コーナーにたくさん並んでいます。
ダイエットコーラやダイエットゼリー、カロリーのない甘味料…等々。
糖質制限して痩せたいけれど、一方では大のスイーツ好き。
あるいは健康のために血糖値を抑えたいけれど、仕事帰りにコンビニに立ち寄り、ついつい甘いお菓子や炭酸飲料に手を伸ばしてしまう。
そんな、日々ストレスと誘惑に取り巻かれた私たち現代人にとって、甘いのにカロリーカットできる“ゼロカロリー食品”は、まさに救世主に見えます。
でも…買うのはちょっと待ってください!
冷静に考えてみましょう。
これらは名実共にカロリーが0(ゼロ)、つまり皆無なのです(厳密には後述のように、100mlあたり5kcal未満の範囲)。
どうして甘いのにカロリーがないの…? と不思議に思いませんか?
もくじ
人工甘味料 + エリスリトール = ゼロカロリーの健康食品?
このような商品には大抵、人工甘味料やエリスリトールが使われています。
糖アルコールのエリスリトールは、自然界にも存在し、化学的に合成する人工甘味料とは違いますが、糖質の中で唯一“カロリーを含まない(ゼロである)”と厚生労働省が正式に認めている物質です。
ですので、同じくノンカロリーとされている人工甘味料と組み合わせて、ダイエット食品に使われることが多いです。
エリスリトールについて詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
→ エリスリトールとは、血糖値を上げない糖質。危険性はなさそうだが…
エリスリトールも遺伝子組み換えトウモロコシからつくられるなど、問題が全くないとは言えないのですが、さらに要注意なのは“人工甘味料”類ですね。
では、なぜ人工甘味料を使用するとカロリーがなくなってしまうのでしょうか。
その仕組みを解き明かしていきたいと思います。
甘いのに“ゼロカロリー”なのはなぜ?
それには、次のような2つの理由があります。
① 人工甘味料は“超甘い”ので、ほんのちょっぴりしか要らない。
アスパルテームを始め種々の人工甘味料は、砂糖の数十から数百倍という途方もない甘味を持っています。
そのため、ごく微量を食品に加えるだけでよく、結果としてカロリーもほとんどないのです。
ちなみに、近年のヘルシー志向食品によく見る「カロリーオフ」や「カロリーゼロ」などの表示には、健康増進法により定められた基準があります。
例えば、飲料製品であれば次のようになっています。
●100mlあたり5kcal未満の場合。
「ノンカロリー」「カロリーゼロ」「ゼロカロリー」等と表示できる。
●100mlあたり20kcal未満の場合
「カロリーオフ」「ローカロリー」「低カロリー」「カロリー控えめ」等と表示できる。
つまり「ノンカロリー」や「ゼロカロリー」と商品に書かれていても、厳密に言えば、実際にはゼロカロリーではない場合もあるのです。
少なくとも、100mlあたりのカロリー量が5kcal未満である、ということに過ぎません。
② 人工甘味料の中には、全く消化できない化学物質もある。
人工甘味料の「御三家」のうちの2つであるアセスルファムKとスクラロースは、エリスリトールと同様に全く代謝されず、小腸から吸収されて血中に入り、身体中を巡り巡ったあとに尿と一緒に排出されます。
だから、本当にカロリーは0(ゼロ)なのです。
何しろ消化されないのですから。
ただし問題は、エリスリトールが発酵食品中にも見られる自然の糖アルコールであるのに対し、アセスルファムKやスクラロースは自然界に存在しない化学合成物質であり、ヒトの体内をぐるぐる回っている間に悪影響を及ぼす可能性があるということです。
アセスルファムKとスクラロースについての詳細は、こちらの説明をご覧ください。
甘くておいしいのに太らない…そんな虫のいい話はありません
人間は本来、生きるためのエネルギーを必要としており、消化してカロリーとなるものこそを「おいしい」と感じるようにできています。
それが「甘い=おいしいのにカロリーがない、消化されない」というのは、不自然だと思いませんか?
自然の摂理である生体機能に矛盾するような食生活は、絶対にすべきでないと思います。
加えて、これら人工甘味料を主体とするゼロカロリーの食品や飲料が世に出回るようになってから、本当に人々の糖質改善が進み、ダイエットに成功した人が増えたのか?
あるいは糖尿病やメタボから解き放たれ、生き生きと幸せな毎日を過ごす人たちが増えたのか?
残念ながら、答えはノーです。
アメリカの調査では、人工甘味料の消費量の増加と肥満人口の増加はほぼ一致しているそうです。
それどころか、特にブームとなったダイエットコーラの飲み過ぎにより、疲労感、無気力感、抑うつ、のどの渇きといった中毒症状に苦しめられた挙句、体重はますます増えるのでますますダイエットコーラをやめられなくなる…という悪循環に陥る人があとを絶たなくなりました。
日本にも「コカコーラゼロ」「メッツ・コーラ」「ペプシスペシャル」などのダイエットコーラがありますが、これらは普通の炭酸飲料よりもむしろ糖尿病のリスクを高めると指摘する声もあります。
詳しくは、次の記事をご覧くださいね。
→ ゼロカロリーで太るのはなぜ?人工甘味料とダイエットコーラの恐るべき副作用