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人工甘味料はインスリンを分泌させる? させない?

      2015/09/21

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これはネット上でもよく議論となっており、糖質制限やダイエットしたい方々が大いに気になっているらしい、一つの大きな疑問です。

人工甘味料と血糖値をめぐるこの重要な疑問について、今日は検証してみたいと思います。

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インスリンとは、一体どんなホルモン?

すでにご存じかもしれませんが、インスリンと血糖値の関係について簡単に説明します。

インスリンとは、膵臓(すいぞう)から分泌され、主に骨格筋や脂肪組織に対して血液中から糖を取り込むよう促すホルモンです。

各内臓やその他の細胞もそうですが、私たちが糖分を摂取して血液中を流れる糖を吸収することによって、活動を維持するエネルギー源となったり、タンパク質を合成して体の一部となったりします。

ところが何かの拍子でこのインスリンの働きが弱くなると、インスリンを分泌したにもかかわらず骨格筋や脂肪組織の糖分吸収が進まないので、血液中の糖の量(血糖値)がなかなか減りません。

そこで膵臓は、それを強く促すために、もっともっと大量のインスリンを分泌しようと働きます。
そして血液中のインスリン量が増えてきます。
このような状態を「インスリン抵抗性が高い」と表現するわけですね。

この、インスリン抵抗性の高い状態が長く続くと、やがて膵臓が弱まってインスリン分泌能力が低下し、血糖値が上がって糖尿病と診断されるわけです。

また、普段から甘い食べ物・脂っこい食べ物などカロリー高の食事を続けていると、血液中の糖の量が常に多い状態となり、よりたくさんの糖を体に取り込んでもらおうと、膵臓は多量のインスリンを分泌し続けなければなりません。

その結果、やはり膵臓が疲弊してインスリン量が減り、血糖値を下げることができなくなって糖尿病を引き起こします。

 

人工甘味料は血糖値やインスリン分泌に影響を与えない…はウソ?

さて本題は「人工甘味料はインスリンを分泌させるか? 否か?」という問題です。

「インスリンというホルモンは、本来は血液中の“糖”に反応して分泌されるものなので、糖ではない“人工甘味料”には反応しない、つまりインスリンの分泌量に影響を与えることはない」

それが、これまでの科学の通説でした。

ところが現在、このもっともな通説に疑念を呈するようなうわさが盛んに飛び交っています。
「人工甘味料もインスリンが出るんだって!」
「ウソだろ! そんなはずないよ!」……

議論を呼んだ、週刊現代のネット記事

事の発端は、2012年5月、週刊現代にWeb版にアップされた、次のような主旨の記事です。

「ボストン大学医学部のバーバラ・コーキー博士の研究によると、すい臓は人工甘味料にも反応し、大量のインスリンを出すことがわかりました」

これはラットを用いた動物実験であり、ラットに人工甘味料を直接食べさせるのではなく、ラットの膵臓からβ細胞を取り出し、シャーレに入れて培養して人工甘味料を投与し、インスリン分泌の増加を見るもの。

結果としては、実際にごく微量だけインスリン分泌の増加が見られました。

そしてバーバラ・コーキー博士は「胃腸や膵臓にも、いわば舌と同じような味覚センサーが付いており、ここが人工甘味料の甘みに反応して、インスリンの分泌を促すのではないか」という仮説を立てたようです。

しかし糖質制限に関する書籍で有名な医師の江部康二氏は、この実験で見られたインスリン分泌の増加は、全く問題にならない程度の少量に過ぎないとし、上記の週刊現代のネット記事の主張『人工甘味料も大量のインスリンを出す』について「全く事実無根の誤解」と断じています。

※参考:ドクター江部の糖尿病徒然日記「人工甘味料が、大量のインスリン分泌を促す?真相は?」

事実無根…? 本当にそうでしょうか(・・;)

真実は未だはっきりしない。だけど…

確かに週刊現代は大げさな記事を書いたようですが、それにしても人工甘味料によってβ細胞のインスリン分泌が(わずかながら)増大したのは事実ですから、「事実無根」と断じてしまうのは少し短絡的な気がします。

実際、このバーバラ・コーキー博士以外の幾つかの研究においても、例えばスクラロースがインスリン値と血糖値の増加に影響するというデータ等があります。

しかし逆に、人工甘味料が砂糖に比べ、他の糖分や炭水化物を摂取した際のインスリン分泌を抑制してしまうとする研究結果も複数あります。

つまり、人工甘味料のインスリン分泌への影響に関しては、まだ現時点では未解明な部分も多く、科学的データを以てしても真実は明らかでないということです。

しかし少なくともはっきりしているのは、人工甘味料の推進者がよく口にする「人工甘味料は血糖値やインスリン値に影響を与えない」という主張は間違っている、ということでしょう。

人工甘味料そのものがインスリンを分泌「させる」にしろ「させない」にしろ、また、合わせて摂取する他の糖分や炭水化物によるインスリン分泌を「増加させる」にしろ「減少させる」にしろ、とにかく人工甘味料は血糖値やインスリン値に確かに影響を与えているようです。

そしてどちらにしても、それはヒトの体に好ましいことではありません。

仮にインスリン分泌を増加させるとしたら、せっせとインスリンをつくらねばならない膵臓に多大な負担をかけることとなり、インスリンの分泌能力を疲弊させて糖尿病のリスクを高めます。

また逆にインスリン分泌を減少させるとしても、実際に摂取した糖に対して通常よりもインスリン量が減るわけですから、当然ながら血液中の糖分が増え、血糖値を上げて同じく糖尿病のリスクを高めますね。

ですからどちらにしても、カロリーを減らすことを目的に人工甘味料を積極的に利用することはやめるべきであるという結論となります。

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