味噌汁は健康にいいんです!――塩分も心配なし。ダイエットに役立てるには…?
2015/09/25
味噌は昔ながらの健康食品
味噌の栄養効果は、ご存じの通り昔からよく知られています。
「味噌は医者いらず」
「医者に金を払うなら、味噌屋に払え」
などと言われ、伝統的に日本の食事に幅広く取り入れられました。
中でも特に“味噌汁”は、三度の食事に欠かせないものとして長らく重宝された、スーパーヘルシー料理です。
味噌の具体的な栄養効果
まず、良質な植物性たんぱく質が多いだけでなく、人間の筋肉や血液を作り出す必須アミノ酸9種類のうち8種を含み、その他にもビタミンB群、レシチンやイソフラボン、酵素類を豊富に含みます。
ビタミンB12には造血効果があると言われますし、イソフラボンの抗酸化作用やレシチンのコレステロール抑圧作用は、お聞きになったこともあるかもしれません。
また、酵素は消化活動を助けます。
さらに、発酵食品である味噌は腸内環境を整える働きがあります。
食物繊維も含んでいるので、腸内の腐敗物や有毒物質をきれいに排出してくれるのです。
味噌汁+ご飯 で栄養の基本的なバランスが取れる
そんな栄養豊富な味噌を溶かし込んだ味噌汁に、さらに豆腐、ワカメ、そして季節の野菜を入れれば、たんぱく質、脂質(味噌は元は大豆ですから、当然植物性脂肪も含んでいます)、ビタミン、ミネラルと、炭水化物以外の栄養素があらかた摂れてしまいます。
ここに主食のご飯が加われば、それだけでバランスのよい食卓メニューがほぼ出来上がるわけです。
そして、あくまでも補足的に、魚などの主菜、野菜や豆類の副菜、漬け物などを添えたものが、一汁二菜、あるいは一汁三菜などと呼ばれる、昔ながらの日本の食事です。
味噌汁の塩分は、あまり気にしすぎないで
一方、塩分の摂りすぎは高血圧の元と言われますから、味噌汁の塩分を気にする方も多いかと思います。
しかし最近の研究では、味噌の利尿作用によって3割程度の塩分が体外に排出されることや、味噌には血管を広げる作用があり、塩分だけを摂取する場合と比べて血圧が上がりにくいことが分かっています。
味噌汁に入れる味噌の量に気を付けるだけでなく、おかず全般において過剰な味付けは控え、美味しくいただける程度の薄味を心がければ、塩分の摂りすぎを心配する必要はないでしょう。
味噌汁はがん予防に効くって、本当?
また、1981年に、味噌汁を毎日飲む人は胃がんが少ないとの発表が国立がんセンターから為され、話題になりました。
これは、一つには確かに、味噌自体に含まれるフラボノイドのがん抑制作用も関わりがあるかと思われます。
しかしもう一つ大事なのは、味噌汁を毎日飲む人の食生活スタイルに注目することです。
味噌汁を毎日飲む人は大抵、一汁二菜・三菜などの和食を取っていることでしょう。
食事全体が和風であれば、体内のコレステロール・脂肪・活性酸素なども少なくなりますから、がんを始め糖尿病など、様々な生活習慣病を発症しにくくなるのは当然のことです。
ご飯と味噌汁を基本とする日本の食事は、とても健康的であるが故にカロリーも抑えられ、ダイエットにも役立つのです。
昔の米所の地域のように、一升飯をどか食いすることは勧められませんが、ごはんに味噌汁、おかず類を程よく揃え、ヘルシーな食生活を心がけましょう。