健康な食事について考えるブログ

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【肉食=現代の食事がガンの原因となる理由⑤】活性酸素と脂肪の切っても切れない関係

      2015/12/30

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コレステロールや中性脂肪のもと…と悪名高い肉の脂身。
この「脂肪」もまた、あらゆる側面から発がんの危険な要因となります。

たくさんの肉を食べると、同時に動物性脂肪も多く摂取され、腸内で胆汁酸が多量に分泌されます。

この胆汁酸が、腸内で悪玉菌が生み出す有害物質と作用して大腸がんを引き起こす仕組みについては、以前の記事↓↓↓にまとめました。
大腸がんも胃がんも予防可能!原因は食事。ガンの仕組みを分かりやすく説明します

さらに、実は脂肪が体内の活性酸素も増大させることはご存じでしたか?

そして、脂質が活性酸素により酸化された「過酸化脂質」は、活性酸素よりも寿命が長く、じわじわと細胞を侵していくので、特に恐い存在です。

コレステロールが酸化されて過酸化脂質となり、動脈硬化やさまざまなガンの危険を高めるメカニズムは、こちらの記事↓↓↓にまとめてあります。
【肉食=現代の食事がガンの原因となる理由②】肉を食べると免疫力低下するのはなぜ?

今回は、脂質と活性酸素の生み出す「過酸化脂質」が、人体にとってなぜ恐いのか、それをお話ししたいと思います。

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過酸化脂質って、一体何?

脂質が活性酸素によって酸化したもの。
…って、そのままですね (笑)。

過酸化脂質は脂質としての栄養価を全く失っており、まさに百害あって一利なしの有害物質に変わり果てています。
したがって、私たちの体内では異物と見なされますので、免疫細胞であるマクロファージ (白血球の一種) の攻撃対象となります。

以前の記事でもお話ししましたが、血液中の中性脂肪やコレステロールが酸化されて過酸化脂質になると、マクロファージが一斉にやってきて、これを消滅させるために飲み込んでしまいます。

そして、力尽きたマクロファージの死骸が、飲み込んだ過酸化脂質とともに血管壁に溜まり、血管を狭くしてやがては動脈硬化を引き起こす元となります。

過酸化脂質はそれ自体で体の機能を鈍らせるだけでなく、金属イオンに触れると容易に分解し、カルボニル化合物などの物質がつくられます。

そのカルボニル化合物の中でも、過酸化反応の最終生成物である「マロンジアルデヒド」は、変異原性・発がん性が確認されている非常に毒性の強い物質です。

過酸化脂質は、活性酸素からどうやってできる?

以前の記事 (下のリンク) で、活性酸素とは、酸素の構造が変化して電気エネルギー的に不安定となり、他の物質から電子を奪おうとして活性化している状態のものだとお話ししました。
【肉食=現代の食事がガンの原因となる理由③】活性酸素が癌を起こす仕組み

これは活性酸素に限らず、あらゆる物質は、電子を持つ原子が幾つか結合して分子を構成し、さらにその分子が幾つも結合し、その構造の違いによってその物質特有の性質を帯びながら成立しています。
原子に付随する電子も、単独ではなく2つ対になって存在していることが多いです。

そして通常は、電気エネルギー的に安定した状態で静かに存在することができます。

ところが、これらの結合が何かの拍子にどこか外れて、結合していた電子・原子・分子などが失われてしまうと、その物質はエネルギー的に不安定となり、周囲の他の物質から再び結合する相手を得ようとして活性化されます。

私たち人間も、パートナーを失うと寂しくなり、新たなお相手を探そうといろんなイベントや集まりに顔を出したりしますよね。
そして時には、パートナーのいるお相手に手を出して関わり合ってしまったり…?  ┐(´~`;)┌
まあそれと似たようなものです(笑)。

今ここで問題になっている「脂質」にも、同じことが起こります。

すなわち過酸化脂質とは、活性酸素から原子(水素原子)を奪われた脂質が、結合する相手をなくして不安定になったため、今度は周囲の別の物質から分子(酸素分子)を奪って落ち着いたものの、以前の普通の「脂質」だった頃と比べて酸素分子の数が増え、性質も少しひねくれてしまった…そんな奴だと思ってください(笑)

実際には、事情があって酸素分子を奪うだけでは落ち着かず、さらに別の場所から水素原子1つを奪ってきてしまいます。
これが、さらに新たな過酸化脂質をつくる原因となるので、非常に厄介です。

一応、このメカニズムを下に説明しておきます。

① 不安定な活性酸素が不飽和脂肪酸から水素原子を奪う。
この脂肪酸は「脂肪酸ラジカル」となり、不安定となる。

② そこで酸素分子(O2)と結合し、「脂肪酸ペルオキシラジカル」となる。
しかしそのために、結合した酸素分子が今度は不安定な状態になってしまう。

oxygen1酸素分子は、酸素原子が2つ結合しています。
右図のような感じです。

グレーの部分、2本の手で結合していることが分かると思いますが、お互いに両手を出して握りあっているようなものだと考えてください。

ここから、脂肪酸ペルオキシラジカルが、片方の酸素原子の片手を無理やり奪い、強引に自分と手を繋がせてしまうわけです。

そうすると、もう片方の酸素原子は、今まで繋いでいた片手が宙ぶらりんになってしまいますね。
するとその片手が寂しくて不安定となり、この片手で今度は別の場所から水素原子1つを引っ張ってきて自分に繋げてしまいます。

③ そこでこの脂肪酸ペルオキシラジカルは、(上記の酸素原子の説明の通り) 近くの不飽和脂肪酸から水素原子1つを奪って「過酸化脂質」となり、ようやく安定する。

④ 一方、水素原子を奪われた不飽和脂肪酸が今度は「脂肪酸ラジカル」となり、上述の反応を繰り返して過酸化脂質となる。

この、いったん火がつくと止まらない連鎖反応を「脂質過酸化反応」と言います。
このように、脂質の酸化がひとたび始まると、あっという間に周囲に広がってしまいます。

過酸化脂質はどんなふうに体に有害なの?

この過酸化脂質の人体に及ぼす有害性は幾つもあります。

例えば、以前の記事でお話ししたように、コレステロールを酸化して動脈硬化を引き起こす。

あるいは、全身に酸素を運ぶ赤血球にも脂質でできた外膜がありますが、これが酸化されると、酸素の届け先に酸素を置く機能が阻害され、あちこちに酸素が行き渡らなくなり、特に脳の酸素欠乏によって認知症やアルツハイマー症の原因になると言われています。

もちろん皮膚の脂質が酸化すれば、乾燥、シミ、しわが増えるなど皮膚の老化が起こります。

しかし最も恐いのは、中性脂肪やコレステロールという形で血流に乗って全身を回る間に酸化された過酸化脂質が、じわじわと体細胞にまで浸透し、この細胞を侵していくことです。

過酸化脂質は、私たちの体を細胞レベルで蝕んでいく。

細胞膜が酸化されるだけで、細胞の機能は衰える。

plasma membrane1私たちの体の細胞は、主にリン脂質でできた膜に覆われ、そのあちこちにたんぱく質が氷山のように浮かんでいます。

左図が、細胞膜の拡大イメージです。
上下の水色の玉が鎖で繋がれたようになっている部分が、リン脂質。
その中に、紫や赤の塊が見えますが、これがたんぱく質。

手前の大きな紫色のたんぱく質の断面が、管のようになっているのが分かると思います。

この管を通して、細胞の内と外の物質の出入りが行われます。

リン脂質には流動性があり、このたんぱく質はある程度、自由に場所を変えることができるようです。

この柔軟性に富んだリン脂質の膜が、細胞そのものの流動性を保ちながら、かつ、細胞の外側と内側を完全に分け隔てて、細胞外の物質が侵入したり細胞内の物質が外に漏れ出たりしないように機能しています。

また、ここに浮かんでいるたんぱく質は、細胞の内側と外側を繋ぐドアのような役目を果たしています。
つまり、細胞に必要な特定のイオンや栄養分などは、そのたんぱく質のドアを通じて細胞の内と外に出入りすることができます。

さらに、体内の細胞同士は互いに協調しあって働いていますから、いろんなメッセージのやり取りも必要です。
これらのメッセージは、ホルモンや神経伝達物質、サイトカインといった形で外から運ばれてきて、また発信されます。
これら細胞間の情報の出入りをつかさどるのも、このたんぱく質のドアの役目です。

このように細胞膜には、私たちの体の機能を正常に保つための大切な働きがたくさんありますから、この細胞膜がうまく働かなくなると、当然ながらさまざまな支障が起こります。

ところがこのリン脂質の膜が酸化されてしまうと、細胞膜は柔軟性を失い、上述のような大事な機能が低下して、やがては私たちが体調を崩す原因となります。

過酸化脂質が最後にもたらす「マロンジアルデヒド」は、DNAを傷つける恐ろしい発がん物質

過酸化脂質が金属イオンに反応すると、カルボニル化合物の一種である「マロンジアルデヒド」が生成されます。

これは、細胞膜のたんぱく質と結合してたんぱく質の働きを鈍くしてしまいます。
つまり、上に書いたような、細胞の内と外を連絡する大切なドアの役目が果たせなくなるわけですね。

具体的には、細胞内に入ってはいけない有害物質が流れ込んできたり、あるいは細胞内に留めておくべき大切な成分が漏れ出てしまったり、さらにはホルモンや神経伝達物質といった外からのメッセージが受け取りがたくなり、細胞間のコミュニケーションがスムーズに行われなくなります。

さらに「マロンジアルデヒド」は、強い変異原性、発がん性が確認されており、細胞内のDNAにまで届き、このDNAの内側にある物質と反応してDNAを変質させ、ガン細胞に変化させる可能性も指摘されています。

高脂肪な食事が、活性酸素とともに過酸化脂質も増やしてしまう。

high-fat_meal前回の記事でもお話ししたように、脂肪は数ある食べ物の中でも最も消化吸収しにくい食品です。

摂取から体内での消化、排泄に至るまで、多大な時間とエネルギーを費やし、消化器官を疲れさせてしまいます。

エネルギーを費やすということは、細胞内のミトコンドリアが酸素をエネルギーに変換する作業が増えるということであり、それだけ活性酸素の発生量も増大します。

一方、内臓が疲弊すれば免疫力も衰えます。
活性酸素が増えれば増えるほど、体内の抗酸化酵素も消費されて減っていき、次第に新たな活性酸素に対抗する余裕が失われていきます。

さらに、高脂肪な食事によって血液中を流れる中性脂肪やコレステロールが増えると、増大した活性酸素によって酸化される脂肪も増え、過酸化脂質も体内にたくさん発生することになります。

過酸化脂質が増えると、どれほどあなたの体が危険にさらされるか、お分かりいただけたでしょうか?

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸を巡る、過酸化脂質へのあまりにも素朴な疑問

けれども、ひょっとすると次のような疑問を抱く方もおられるかもしれません。

「肉や乳製品には脂肪が多いから過酸化脂質を増やすというけど、本当に酸化しやすい脂肪酸は、飽和脂肪酸でなく不飽和脂肪酸だよね?

肉や乳製品の脂肪は飽和脂肪酸で、不飽和脂肪酸は植物油や魚に多い。
だから、肉や乳製品から脂肪を摂るほうが安全じゃないの?

魚を中心に食べる日本の食事よりも、肉食中心の欧米風の食事のほうが、体内に過酸化脂質をつくらなくて健康的なんじゃない?」

ごもっともな質問です。

飽和脂肪酸=酸化されない=過酸化脂質にならない。
不飽和脂肪酸=酸化されやすい=過酸化脂質になりやすい。

この図式は、決して間違っていません。
けれども…人間の体の仕組みはもっと複雑なのです。

簡単にいえば、食べ物から取り入れた脂肪酸が全てそのままの形で人体に作用するわけでもありませんし、そもそも体内に発生する過酸化脂質の問題は、肝臓で処理された脂質が血液中でどのように体の隅々にまで運ばれるか、そのプロセスに一番重要なポイントがあるのです。

上の疑問にお答えするべく、Q&Aコーナーに詳細をまとめました。
気になる方は、ぜひ↓↓↓こちらの記事もご覧になってくださいね。
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