人間の健康によい食事は、自然環境にも優しい③――醤油・酢・酒・みりん…日本古来の調味料の素晴らしさ
2015/12/30
“素朴な日本食”を中心とした食生活は、私たちの体を健康にするだけでなく、環境にも余計な負担をかけず、人と自然とが末永く共生するにも適しています。
その理由の1つ目として、地産地消を実践しやすいことを、前回の記事で説明しました。
人間の健康によい食事は、自然環境にも優しい②――日本食は「地産地消」にも適している
今日は、その理由の2つ目をまとめます。
日本の伝統的な調味料は、健康的で環境への負担も少ない
日本に昔から伝わる代表的な調味料と言えば、醤油、酒、みりん、酢、塩、味噌などがあります。
これらを使えば、大抵の食べ物は簡単においしく調理できます。
また、塩以外は全て発酵食品ですね。
発酵食品のヘルシーさは、皆さん既にご存じのことと思います。
日本の調味料をうまく使えば、砂糖の使用量を減らすことができます。
例えば「三河みりん」のような本格的なみりんを使えば、みりんには甘味が含まれますので、砂糖は不要、もしくはほんの少量で済みます。
一般的なレシピを見ると、どんな料理にも必ずと言っていいほど砂糖が使われますが、昔ながらの日本の家庭料理は特に、砂糖をゼロにしてもある程度おいしくできます。
また、砂糖を使わずに醤油や塩などを分量どおりに使うと、当然ですが少し塩辛くなります。
ですから、醤油や塩なども量を控えめにします。
そうすると、元のレシピよりも薄味となり、食材そのものが持つ本来のうま味や甘味が増して感じられ、より健康によりおいしく食べられるというわけです。
日本の調味料を使う昔ながらの料理は、油がなくても大丈夫
和食中心の食事にすれば、時折の炒め物以外には油もほとんど要らずに済みます。
現代の市販のレシピには、煮びたしや炒め煮など、煮込む前に油で炒めるという工程を加えるものが案外と多いような気がします。
もちろんこれはこれで、加熱時間が短くて済む、少量の油によって料理にコクが出る、等のメリットがあるわけですが、あえて低カロリーを目指そうと思えば、これを省略していきなり煮込みから入っても最終的にはおいしくできることが多いです。
さらに、油を使わなければ、その後の後片付けも水洗いだけで済み、手間要らず。
そしてもちろん油や洗剤にまみれた汚水を流すこともありません。
→関連記事《「油脂の摂りすぎに注意」》
「塩分の摂りすぎ」は、ほどほどに気を付ければOK
ちなみに、昔ながらの日本の食事でよく問題になるのが「塩分の摂りすぎ」ですね。
昔は冷蔵庫がなかったため、食品を長期保存するのに多量の塩が必要でした。
従って味噌や漬け物も、今よりずっと塩辛いものになっていたと思われます。
今では冷蔵庫が普及していますから、市販の食品の塩分濃度は随分抑えられているはずです。
むしろ、着色料や合成保存料など、食品添加物の使用に気を付けたほうがよいでしょう。
塩分の摂りすぎが高血圧を招くというのは事実ですので、漬け物や佃煮など常備菜として味付けを濃くしてあるものは、一度にたくさん作りすぎない(買いすぎない)ようにして少しずつ食べる、等の工夫は必要だと思います。
また、砂糖の項でも述べましたが、日頃から一般レシピよりも薄めの味付けを心がけ、素材本来の味わいを楽しめる味覚を少しずつ育てることが大切です。