健康な食事について考えるブログ

やっぱり和食がいいんです!本当においしくて健康になれる食事って何?一緒に考えましょう。

日本の「食事バランスガイド」の問題点 ― 何でもかんでも食べる=バランスの良い食事、ではない。

   

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前回の記事で、世界の主要な食生活ガイドラインの中身についてご紹介し、昔ながらの和食が実はとても栄養バランスの良い優れた食事であることをお話ししました。

前回記事:世界の食生活指針で分かる―「昔の和食」は健康的な食生活の標準モデル。

けれども、この記事をお読みになって、

「私たちは日本人なんだから、どうせ参考にするなら日本のガイドラインを見たらいいんじゃないの?」

と思われた方もいるかもしれません。

しかし、日本政府が出している一連の食生活・栄養バランス指針では、本当の意味で私たちの食生活を改善することはできないでしょう。

今回は、その理由をご説明したいと思います。

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結局、何をどう食べたらいいのか分からない「食事バランスガイド」

実際、日本の政府も「食生活指針」「日本人の食事摂取基準」といった、国民の食生活や栄養指導の基準となる報告書をまとめています。

また、2000年(平成12年)には「健康日本21」と呼ばれる国民健康づくり運動が、厚生省の主導で始められました。

そして同年に、厚生省・農林水産省・文部省が共同で策定した「食生活指針」を、私たち一般消費者に分かりやすいようにとイラスト化してまとめたものが「食事バランスガイド」です。

1983年(昭和58年)に農林水産省が提唱した「日本型食生活」を基本にしつつ、主食・主菜・副菜をしっかりと摂り、動物性食品から野菜、海藻、牛乳、脂肪に至るまで、ありとあらゆる食材をバランスよく食べましょうという内容になっています。

けれども私は、この「食事バランスガイド」を参考に日々の食事を決めることは、あまりおすすめしません。

その理由は、まさに「バランスよく食べましょう」というその言葉にあります。

何でもかんでも食べるのが、イコール栄養バランスの良い食事では決してないのです。

なのに厚労省や農水省が「いろんな物をバランスよく食べましょう」なんて体裁のいい言葉で国民にあれやこれやと消費を勧めるのは、それが国民の健康に資すると本気で考えているからではなく、あくまでも食品産業の保護を優先しているからです。

ですのでこの「食事バランスガイド」は、前回の記事で触れた世界の主要な食生活指針の内容に比較すると、一応無難にまとまっているように見えますが「では今の食生活の一体何を改善すべきなのか」その明確なポイントがぼやけて全く見えてきません。

恐らく多くの消費者は、このガイドを見ても、結局は何をどのように食べたらよいのか、今までとどう変えたらよいのかがほとんど分からないのではないでしょうか。

一応、公平を期すために、農林水産省のページにもリンクを貼っておきます。
農林水産省「食事バランスガイドについて」

では以下に、この「食事バランスガイド」の幾つかの問題点を順に説明していきます。

厚生労働省&農林水産省「食事バランスガイド」の具体的な問題点

1.「日本型食生活」でも主食にパンやパスタを奨励?

炭水化物の供給源である穀類の摂取については、精製された穀類を避けて未精製の穀類を奨励するのが、海外でも主流となっています。
これは、現在問題になっている、高カロリーに対するミネラル不足、食物繊維の不足を解消するためです。

精製された穀類は、小麦粉にしても白米にしても、胚芽や表皮を取り除いて糖質の純度を極端に高めているため、やみつきになるほどの“おいしさ”を感じて過剰に食べてしまう一方、ミネラルやビタミン、食物繊維が胚芽や表皮と一緒に失われており、体の免疫力を弱めて生活習慣病のリスクを高めます。

農林水産省は、「日本型食生活」における食材の多様さ、偏りのない食べ方が生活習慣病の予防に繋がるとして、この「日本型食生活」を奨励しています。

でもそれにしても (いやそれだからこそ)、日本の食文化に根付いているごはんや麺類はともかく、パンやパスタまでわざわざ主食の例に挙げ、さりげなく奨励しているのはおかしいのではないでしょうか。

パンやパスタは、精製された小麦粉でつくる代表的な食品ですよね。

パンは、特に消費者が手を出しやすい市販品は、添加物や砂糖、油脂等が非常に多く使われ、トランス脂肪酸の含有量も大です。

また、パスタは、必ず一緒に食べることになるソース類で塩分や脂質過剰に陥りやすい。

現在、小麦は国家貿易品目として国が輸入し (外圧で輸入させられ?)、各製粉会社に強制的に卸している状態です。

小麦の国内生産向上に力を入れている農家やメーカーもありますが、そんな現状の中、国内の製パンや製麺など加工食品メーカーは、国産小麦を原材料として50%以上使用すれば、その商品に「国産小麦100%使用」と表示してよいことになっています (業界では「50%ルール」と呼ばれています)。

つまりこの「食事バランスガイド」が、日本型食生活を推進する素振りを見せながら、主食としてパンやパスタまでを勧めているのは、海外圧力に対抗できない政府が、大量の輸入小麦を何としても国民に消費してもらわねばならないという裏事情があるからなのです。

2.肉や卵を、未だに魚や大豆と一くくりにして奨励

主菜において、肉、卵、魚、大豆がまとめて扱われ、やはりどの食材もバランスよく食べるようにと奨励されています。

これらは確かに、たんぱく質の主要な摂取源という点では共通ですが、動物性と植物性の違い、脂肪の種類の違いなど、栄養的な内容が大きく異なるので、一緒にまとめて扱うことはできません。

豆やナッツは植物の種子であり、これから発芽し成長するための栄養素を全て含んでいるので、植物性たんぱく質だけでなく、ビタミンや食物繊維、ポリフェノールといった、肉や魚などとは異なる大切な栄養素 を豊富に含んでいます。

ですから、動物性食品とは分類を分けて、特に気をつけて食事に取り入れるよう奨励すべき食品群です。

また、これもご存じかと思いますが、肉類と魚介類とでは、同じ動物性食品でも脂肪酸の種類が違うので、特に生活習慣病予防の観点から考えると、同じ「たんぱく質源」として一緒に扱うべきではありません。

肉類は飽和脂肪酸を多く含み、これは摂りすぎると血液をどろどろにし、動脈硬化や心疾患、脳梗塞を起こしやすい。
また、肉類にはコレステロールが多いことも有名です。

一方、は不飽和脂肪酸を多く含み、これは逆に上のような疾患を抑制しながら、よい形で細胞膜などの原料となってくれます。

現代では、肉類を控えて魚や豆・ナッツ類を奨励するのが、海外の食生活ガイドラインの主流です。
特に赤肉 (牛肉や豚肉)は、ヒトに発がんさせる恐れのある物質として、国際がん研究機関がリスク評価を下しました。

赤肉の摂取が好ましくないことが世界的に明らかにされている今日、未だに素知らぬ顔で、魚介類同様に肉類をたんぱく質源として勧めている日本の食生活指導は、主要先進国の一員である国家が国民に示す指針としては、いかがなものかと思います。

3.牛乳・乳製品の害は国際的な論議を呼んでおり、奨励すべきではない。

ご承知のように、牛乳と乳製品の人体に対する害については、海外でも大いに議論となっているところです。
特に、摂りすぎれば 乳がんや子宮がんの原因になる ことは明白となっています。

海外では、推奨を見合わせるか、むしろ控えるよう勧告するケースが増えてきています。

日本には元々、牛乳を飲む文化は全くありませんでした。
日本人が牛乳を飲むようになったのは、戦後、アメリカが小麦戦略を展開する中で、給食に脱脂粉乳や牛乳が出されるようになってからです。

特に「長寿村」と呼ばれる地域の食生活を見れば、乳製品など全く摂取しなくても、健康的に長生きする上で何の問題もないことが分かります。

ヨーグルトも、市販の商品はほとんどが砂糖や異性化糖で甘みを付けたものばかりです。
カルシウムや乳酸菌を摂るメリットよりも、これらの糖類過多のリスクのほうが気になります。
乳酸菌ならば、朝夕の食事に1~2切れのぬか漬けを食べれば十分に摂ることができます。

牛乳はカルシウムが豊富とよく聞きますが、牛乳を飲んでいると骨が丈夫になるどころか 骨粗しょう症になる可能性が高くなるということです。

牛乳と乳製品の弊害については、いつかの機会にきちんとまとめたいと思いますが、とにかく国民の健康を第一に考えるなら、政府がわざわざ摂取を勧めるような食品ではありません。

「食事バランスガイド」は、日本政府の産業優先、曖昧行政をそのまま反映している。

「食事バランスガイド」は、確かに一見、世界の主要な食生活ガイドラインに沿った内容に見えます。

例えば、摂取すべき食品の量を「たんぱく質 < 野菜・果物 < 穀類」 としてある点など。

これは、海外のガイドラインが元々日本型食生活をモデルにしてこの摂取バランスを決めたものなので、日本の食事によくマッチしているのも当然であって、日本の食生活指針には比較的取り入れやすいのでしょう。

しかし詳しく見てみると、「多くの食品をバランスよく」という、ケースに応じて都合よく解釈できる曖昧な表現に隠れ、本当に改善すべきピンポイントがぼやけたまま、結局は「何でも食べなきゃいけない」と消費者に思わせる内容になってしまっています。

かつて、厚生省から「1日30品目」が提唱された時代がありました。

これは文字通り、1日に30種類の食材を摂るようにすれば、肉・魚・卵から各種野菜、海藻、その他まであらゆる種類の食品を食べることになり、自ずと栄養バランスが偏りのない良いものとなる…という発想です。

しかし、「30」という数字にこだわるあまり神経質になって挫折したり、家事に負担が来たり、あるいは過食に陥るといった傾向も指摘されたため、現在ではこの「1日30品目」というキャッチフレーズは「食生活指針」からは消えてなくなっています。

けれどもその発想は、今でも全く同じなのです。
要は「とりあえずいろんなものを食べておきましょう」ということ。

どの食べ物がいいのか悪いのか。
食の世界には、まだまだ分からないこと、科学的に解明されていないことがいっぱいある。

その一方で、極端な不足や過剰など、摂取する食品や栄養が偏れば体に害をもたらすことは、これまでの人類の経験から明らかなこと。

そういうわけで「いろんなものをバランスよく」と言っておけば、当局としては最も無難です。
表現が曖昧な分だけ責任も軽いですし、何よりも農水畜産や加工食品、外食などあらゆる食品産業に対し、角を立てずに済むということ。

現在、海外では、赤肉や精製された穀類・調味料などが、摂れば摂るほど人体への健康上のリスクを増すことがはっきりと知られてきており、これらの摂取を減らしていくことが強く奨励されています。

「何でも食べ過ぎると良くないのは当たり前。野菜だって、そればかり食べていては生きていけない」

このような食の警告を疎んじる人たちは、決まってそう言います。
けれども、もはやそういうレベルの話ではない のです。

少なくとも「赤肉」「精製された食材」この2つに限っては、明らかにヒトの体にとっていいことよりも悪いことのほうが多く、食べるのを極力制限、あるいは全く食べないほうがよい…専門家によって、そのぐらいの論調で言われるようになってきています。

そして、この範疇に「牛乳・乳製品」も入るか入らないかの瀬戸際まで来ています。

↑↑↑ こんなことを書くと「赤肉や小麦粉にだって栄養はあるじゃないか!」とクレームが来そうですが、昔の食生活に戻せば、他の安全な食材で十分に代替できるものばかりなのです。

栄養や食材の“バランス”を語る際に、赤肉や精製食品と、野菜や魚などの食材を同列に並べて論じてはいけない理由…これについては語り始めると長くなりますので、またの機会に詳しくまとめたいと思います。

とにかく、日本政府の食生活指針「食事バランスガイド」には、現代の食生活を見直すに当たって欠かすことのできないこのような重要なポイントが抜け落ちているということ。

必ずしも世界のマネをすることはありませんが、元々今の日本国民の食生活自体が欧米の「モノマネ」に過ぎませんし、ましてや「がん大国」になってまでかつてのアメリカの真似を続ける必要はない のです。

かつて「がん大国」とはアメリカを指す言葉だったのに、今では日本を指す言葉になってしまいましたからね(苦笑)

そのアメリカは、昔の日本の“マネ”をして ―― 即ち日本の食事を模範としながら、食生活の改善に国家を挙げて本気で取り組み、その結果、20年間でがん死亡率を16%も減らすことに成功 しました。

自分の間違いは間違いと認め、相手のよいところはどんどんマネしましょうということです。

いかがでしょうか?
日本政府の「食事バランスガイド」
日本の曖昧行政、業界との癒着行政が手に取るように見える内容だと私は思っています(笑)

「お上」の言うことばかりを鵜呑みにせず、自分に必要な情報は自分で集めましょう。

次回は、食生活についての情報集めに関連して

自ら調べてたくさんの情報に触れることの大切さ

についてまとめたいと思います。

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