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【ステビアとは ③】かつて不妊や発がん性の疑われた甘味料。危険性や副作用は本当にないの?

      2015/11/20

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stevia-tea1ステビアは古くは避妊の薬であったと言い伝えられ、実際にラットの実験でも妊娠率が低下したという研究が発表されるなど、生殖毒性があると言われ、欧米では長らく食品添加物として認可されませんでした。

そのような状況は、一つは米国の砂糖業界のロビー活動による影響も大きかったとされます。
 版権: noname3132 / 123RF 写真素材

その後の動物実験でも妊娠率の低下は確認されず、現在ではステビアの不妊・避妊作用は否定されています。

※前々回の記事で、ステビア甘味料の開発と普及の歴史についてまとめました。
【ステビアとは ①】かつてポカリスエットにも使われた甘味料。血糖値を抑えるが危険?

また、よく話題に上る“発がん性”についても、各国の安全性試験でこれといった疑わしい所見が見られないため、現在のところは安全ということになっています。

そして甘味料と言えば気になるカロリーについてですが、ステビア甘味料のエネルギー換算係数は4kcal/g で、砂糖と同等です。

しかし、砂糖の200~300倍もの甘さがあるため、使用量自体がほんの少しで済み、実質的にはほぼゼロカロリーに抑えられます。
血糖値をそれほど上げることもありません。

さらに植物由来の天然甘味料ですから、人工甘味料のようにいろんな副作用がある合成物質と違い、体に優しいイメージがあります。
自然環境で分解されず蓄積されるのでは…? といった心配もありません。

…では、ステビア甘味料はまったく安全でヘルシーな物質だと、すっかり信じてよいのでしょうか?

これまで多くの人に糖尿病やメタボを引き起こしてきた砂糖、さまざまな強い毒性がうわさされる人工甘味料類との対照で、この新しい天然甘味料を安心して受け容れ、私たちの生活にどんどん取り入れてもよいものでしょうか?

ステビア特集3回目となる今回の記事で、いよいよステビアの本当の安全性 or 危険性について見ていきたいと思います。

シュガー・ロビーや人工甘味料からの反動で「ステビア=安全」と決めつけるのは危険

ステビア甘味料は近年になって急速に各国で認められつつあります。
詳しくは、前々回の記事にまとめました年表をご覧ください。
ステビアの歴史 - 日本発の天然甘味料

この現象には、次のような背景があるものと思われます。

① 主に米国砂糖業界のロビー活動による、人工甘味料や新甘味料ステビアの締め出し。
    ↓↓↓
② 砂糖の大量摂取の害が広く一般に知られる。
    ↓↓↓
③ 消費者の砂糖離れ、人工甘味料業界との長年の攻防による、砂糖業界の衰退。
    ↓↓↓
④ 人工甘味料への消費者の嫌悪感の高まり。
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⑤ 新たに天然の低カロリー甘味料“ステビア”に注目が集まる。

砂糖に人工甘味料…あらゆる甘味料が世論から批判の的となってきた今、食品業界の苦境?を救うためにも、国連のJECFA (FAO/WHO食品添加物専門家会議) や EU、各国政府も、あえてこのステビアという未知なる甘味料に着目し、承認へ向けて舵を取らざるを得なくなったのではないでしょうか?

一方で、シュガー・ロビーの衰退によってステビアの避妊・不妊効果も否定され、ロビー活動への嫌悪感も拍車をかけるように、「ステビア=安全!」の先入観が、特に日本国内で、大して客観的な議論もなく一方的に受け容れられつつある印象を受けるのは、私だけでしょうか。

「かつてステビアが海外で認められなかったのは、アメリカのロビー活動の影響に過ぎなかった」
「今では生殖毒性は否定されている」
「植物のステビアには、抗酸化作用など健康にも優れた効能がある」
「天然だから安心できる。しかも低カロリー」
「…それなら安全だね!」

このような構図の安易な思い込みが、ネット上で集団的に広がっているのが少し恐いです。

●かつて言われていた有害性が、ロビー活動による事実無根のものであったということ。
●実際にステビアの安全性がきちんと確証されていること。

この2つは全くの別問題ですので、混同してはいけません。

国の安全性試験においては、発がん性や生殖毒性など、特に疑わしい所見は何も見られなかったといいます。
それをことさらに強調して「だからステビアはまったく安全です」と公言しているWebサイトもしばしば見かけます。

しかし「安全性試験にパスした」というのは、「とりあえず今のところはこれと言った問題が出てきていない」という程度の意味合いであって、逆に言えば今後はどんな事例が出てくるか分からないわけです。

事実、これまでの食品添加物の歴史においても、一度は安全性試験をクリアしてあらゆる食品に使われていた添加物が、あるとき突然「発がん性が明らかになった」等と言われ、急きょ使用禁止の処置となった例は多々ありました。

また、安全性試験などというものは、メーカーや業界に有利なデータを採用してクリアされる…ということも珍しくないのです。

科学的データなど、その研究者の立場や視点によっても結果は変わってきますし、実際に世の中には、同じ実験内容にもかかわらず最終的なデータが正反対の結論を示している…そんな研究報告もごろごろしています。

特に食品関連など、メーカーや団体の利害に関わる研究や実験には、そのようなケースが非常に多いようです。

国も食品業界も、消費者の健康なんて後回しで、明らかにクレームとなるほどの顕著な健康被害の可能性がなければ、何の考慮も対応もしないのです。

ですので、このような比較的新しい添加物に対しては、国の安全性試験がどうであろうと
「自分の健康は自分で守る」
という気持ちのもと、摂取をできるだけ避けるという姿勢で臨んだほうが安全です。

果たしてステビアは本当に安全なの? 海外の反応は?

かつて言われた、避妊や不妊の作用については、近年では科学的見地からも否定されつつあります。
が、しかし…。

EUは、1日摂取許容量を少なめに設定して認可。

欧州食品安全局(EFSA)は、ステビアの1日当たりの摂取許容量が少なければ安全であると認め、ADIを 4mg(体重1kg 当たり)と設定しています。

※ADI:1日摂取許容量(Acceptable Daily Intake)
食品に用いられたある特定の物質について、生涯にわたり毎日摂取し続けても影響が出ないと考えられる一日あたりの量を、体重1kgあたりで示した値をいう。(Wikipedia より)

ちなみに、他の人工甘味料の ADI は以下のようになっています (体重1kg 当たり)。

● アスパルテーム  :40mg
● アセスルファムK :15mg
● スクラロース   :15mg

これらと比較しても、ステビアの 4mg は決して大きい数値ではありません。
むしろ小さいです (汗)。
1日摂取許容量は、当然ですが数値が大きいほうがより安全性が高いと言えます。

人工甘味料の有害性は、欧州はもちろん海外でも広く認識されています。
しかしその人工甘味料類と比較して、ステビアはさらにADIが小さく設定されているのです。

ステビアはまだ比較的新しい添加物であり、少量の摂取では問題ないことは分かっているものの、多量に摂取した場合の研究データがあまり存在しないそうです。

そのためEUも、ステビアを認可はしたものの、あくまでも控え目に使用すべきである、制限なく使えるほどの安全性はまだ保証されていない、という立場なのでしょう。

いずれにしても、明らかな危険性は確認されていないが、手放しで安全性を断言できるわけでもない…海外ではそのように認識されているのが現状です。

国連の定めるステビアの ADI から分かること。

JECFA (FAO/WHO食品添加物専門家会議) が定めているADIについては、下記の引用を参考に考えてみます。

2008年6月17日~26日にイタリアのローマで開催された第69回JECFA会議に 於いて、ステビオール配糖体(ステビア抽出物)の追加データ(タイプⅡ糖尿病患者、通常血圧・低血圧者の摂取試験)の評価が行われ、ステビオールとして0~4mg/kg bw per dayのADIが設定されました。

今回の追加試験データに副作用が認められなかったことから、従来の長期試験データがそのまま採用されました。(これまでADIは、暫定で1/2が乗じられていました)
この結果、正規ADIはステビア甘味成分に換算すると、ステビオサイドで10mg/kg bw per dayに相当し、又、体重50kgの人が1日に摂取する砂糖量に換算すると約100gに相当することになります。

要するに、JECFA が定めるステビアの正規の ADI としては、10mg (体重1kgあたり) であるということですね。
そしてこれを、体重50kgの人が1日に摂取する砂糖の量に置き換えると、約100g である…と。

suger1砂糖 100g を実際に計量してみますと、約 170cc に当たります。

← 少し見づらいかもしれませんが、このぐらい。
写真はきび砂糖ですが、上白糖でもほぼ同量となります。

大人の女性の、両の手のひらに一盛りといった感じです。

1日当たりどのぐらいの砂糖を摂るか。
それは人それぞれの食生活によりますが、約170ccとは、必ずしも1日に摂取しきれない量ではないでしょう。
うっかりスイーツやドリンクをたくさん摂れば、このぐらいの砂糖は簡単に体に入ってしまいます。

そして同程度の甘味分のステビアに換算したとき、1日に抑えておくべき摂取量がこの程度だというのです。
つまり、世の中のあらゆる食品に使われている砂糖や甘味料が全てステビアに置き換わったとしたら、この程度の許容量を超える可能性は十分にあります。

もちろん許容量を超えて摂取したからといって、ただちに悪影響が体に出るわけではありません。
でも逆に言えば、少なくとも国連(JECFA)はそれほどに、ステビアの使用に対して慎重な姿勢を崩していないということです。

アメリカでは GRAS にリストアップされたというものの、まだまだ国際的には、ステビアの安全性が大幅に認められたという段階ではなさそうです。

いずれにしても、ステビアは日本では30年以上使われていますが、国際的には比較的新しく認可された添加物であり、まだまだ安全性を示すデータが世界的なレベルで十分であるとは言えません。

日本国内では、天然ということもあってステビアへの評価が高いようですが、“手前みそ”の感も否めません。

人工甘味料よりはましかもしれませんが、他に選択肢のない場合はともかくとして、できることなら清涼飲料の購入自体を控えるなど、他の食品添加物とともになるべく避けるほうがベターです。

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