健康な食事について考えるブログ

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トレハを生んだ(株)林原の開発秘話…がトレハロースを美化する?

      2015/09/25

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treha一時期、宇宙人の出てくるテレビCMで話題になり、広く世間にもその名を知られるようになった「トレハロース」

開発元の“株式会社林原”から「トレハ」の商品名で一般向けにも市販されています。(画像は林原のサイトより)

しかし、トレハロースが具体的にどのような物質なのか、詳しく理解している方は少ないのではないでしょうか。

トレハロースの詳細については、こちらの記事で紹介しています。
→ トレハロースとは…日持ち効果のある食品添加物。危険は低いがカロリーは低くない
全国約7000社の食品メーカーが使用していると言われ、あらゆる食品の表示欄にお目見えするこの万能の食品添加物について、あなたもぜひ知っておいてくださいね。

ここでは、トレハロースについて調べた際の副産物として(笑)、トレハロースの開発秘話を簡単にご紹介するとともに、そのサクセス・ストーリーがもたらす影の“副産物”についても考えてみたいと思います(^^;)

日本のメーカー「林原」が世界で初めて大量生産法を確立

1832年にアメリカでライ麦から発見され、その後、トレハロースは多くの科学者の注目を集めてきました。

しかし、効率的な抽出法や生産法はずっと見つからず、酵母を培養して抽出するにもコストがかかり高額となるため、なかなか実用的な産業使用には至りませんでした。

1900年代に、日本の食品原料・バイオ会社「株式会社林原(はやしばら)」が、デンプンに酵素を加えて大量に高純度のトレハロースを得る工業的製法を開発しました。
特許を取得して国内市場を独占、海外の企業とも提携し、世界に市場を広げています。

 

岡山市に本社を置くこの林原というメーカーは、戦前に創業して水飴製造の特許を取り、戦後は水飴生産量日本一となりました。

その後、デンプンからの糖質開発を中心にさまざまなバイオ研究事業に乗り出し、ブドウ糖やマルトースの量産化、マルチトールや抗がん剤インターフェロンの開発など、次々と画期的な商品の製品化に成功。

また、複数のグループ会社を設立し、不動産事業から美術館の開館、果ては古生物学や類人猿の研究にまで幅広く手を広げました。

岡山の土地開発にも積極的で、採用においては他県の高学歴者よりも岡山県内の大卒者を優先するなど、地元からも有望視された大きな地方企業でした。

しかし、諸々の事情によりインターフェロン事業に失敗、2010年には不正経理が発覚して、後に会社更生法を適用。
現在では他社の完全子会社となりましたが、かつての事業は規模を縮小しつつも継続されいるようです。

 

この株式会社林原のトレハロース開発秘話は、ネット上の複数のニュースサイトで取り上げられ、「フロンティアーズ~明日への挑戦~」というFM番組でも紹介されましたので、ご存じの方もおられるでしょう。

ここでその詳細を述べるまでもなく、分かりやすい記事がネット上に幾つかありますので、興味のある方は以下のようなリンクをご覧になってください。

・東洋経済オンライン「奇才が引き出す技術力“夢の糖”トレハロース」
・日経ビジネス「でん粉から“夢の糖質”トレハロースの量産化~偶然から成功を見つけ出す」
・フロンティアーズ~明日への挑戦~「第218回 トレハロース開発 株式会社林原」

※おまけ:手柄話ばかりでは不公平なので?こんな記事も挙げておきます(^^;)
東洋経済オンライン「林原のはがれたメッキ、ウソの上塗り30年」

まあ不正経理の話はここではおいといて…。

 

デンプンから糖質を生み出す研究が低迷し、学会でももうこれ以上の新発見はないだろうという諦めの空気が蔓延していた中で、あえて自社の研究者の大半をデンプン研究に専念させるという当時の林原社長の素晴らしい決断力。

そして、業界の常識を超えて2万8000株もの菌株を調査し、ついに目的の菌を発見、3年がかりでトレハロースの製品化にこぎつけたという、とても感動的な開発ドラマ。

「血の滲むような努力が実を結ぶ」その最たる好例のようなこのビジネス・ストーリーが、私たちにもたらすかもしれない“盲点”とは何か?

それは、

このような感動秘話によって
『開発された製品』それ自体までもが無条件に美化される
恐れがある。

ということだと思います。

 

夢のような万能の食品添加物“トレハロース”のはらむ問題点とは?

たとえトレハロースという物質そのものに人体への悪影響が少ない?としても…です。

本来ならば食品を製造するメーカーの品質管理能力・技術を問われる部分で、こうした「魔法のような」便利な食品添加物の力で手軽に問題解決してしまう。
このような安易な食品づくりの姿勢を、食品メーカーに植え付けてしまいかねない。

むしろ安全だと言われるとすっかり安心してしまい、添加物でありながら無節操にたくさん使用してしまう…そんな常態にも陥りかねないのではないでしょうか(もうすでに陥っている?)。

つまり、食品づくりの本質的なあり方を見誤ってはならないということです。

 

トレハロースの原料であるトウモロコシには、遺伝子組み換えコーンが使われています。
現在、消費者に表示されないのをいいことに、食品添加物には遺伝子組み換え作物が多用されています。

これは、決してこのまま見逃すことはできない問題だと思います。
日本は、先進国の中でもトップクラスの遺伝子組み換え作物の輸入&消費国となっているのです。

詳しくはこちらの記事を→<参考リンク「遺伝子組み換え作物の危険性」>


サクセス・ストーリーの感動と、そこから生まれた製品のありようの是非とは、全く別個のものである
ということを忘れないようにしたいものです。

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