活性酸素を除去するためにも、日本型の食生活を
2015/12/30
活性酸素と生活習慣病の関係
近年、現代人を悩ませる癌や糖尿病、血管に関する疾病などの生活習慣病に、活性酸素と呼ばれる物質が大きく関わっていることが分かっています。
これは文字通り、酸素の活性化したものであり、電子構造の不安定となった酸素分子が、他の物質から電子を奪ったり、他の物質と結びついたりして生じるものです。
こうして酸素が活性酸素となると、さらに不安定さと活発さが増して、周囲の様々な物質に働きかけてその電子構造を変えてしまい、結果として身体に悪い影響を及ぼしてしまいます。
例えば、以下のような代表的な生活習慣病は、それぞれ活性酸素の悪い作用が大きく影響して引き起こされます。
病名 | 活性酸素の悪い作用 |
---|---|
がん | 活性酸素がDNAに働きかけて設計図を書き換えてしまい、不要な細胞が産出されて腫瘍化する。 |
糖尿病 | 活性酸素がミトコンドリアの働きを阻害してしまい、ブドウ糖が消費されなくなって体が多糖化する。 |
動脈硬化症 | 活性酸素がコレステロールを酸化し、それを異物として取り込んだ免疫システムを変質させる。その変質した免疫システムが泡沫細胞となって血管内に付着し、発症する。 |
したがって、これらの生活習慣病から体を守り、健康な生活を維持するためには、
・なるべく体内に活性酸素を取り入れない
・体内に生じてしまった活性酸素を少しでも減らす
ということが必要です。
そしてこれは、日頃の食生活によって実現することができるのです。
体内に入る活性酸素をできるだけ減らすために
活性酸素が体内に入るきっかけは様々なありますが、食生活に関していえば、加工食品に含まれる食品添加物、野菜や果物の残留農薬などが挙げられます。
これらは肝臓で異物と見なされ処理されますが、その際に活性酸素を体内にばらまいてしまいます。
ですから、このような“異物”を最初から口に入れないようにするためにも、加工食品や、農薬や抗菌性物質がたくさん使われている外国産の食材に頼らない食生活を心がけねばなりません。
また、体内に発生してしまった活性酸素を減らす方法としては、たんぱく質・ビタミン・ミネラル類を取り入れることのできる食事が挙げられます。
活性酸素と結びついてその悪い働きを抑える物質は“スカベンジャー(=抗酸化物質)”と呼ばれます。
たんぱく質とミネラルから作り出されるSODやカタラーゼなどの酵素、野菜などから摂取できるビタミンやカロテノイドなどが、その代表格です。
つまり、魚介類(肉や卵)、大豆製品、野菜、海藻…これらをバランスよく食べることのできる日本型の食事 は、活性酸素撃退にも大きく貢献するものと言えるでしょう。
活性酸素は、いろんな病気の原因となるだけでなく、皮膚や身体機能の老化をも進行させることが明らかになっています。
働き盛りでストレスの多い男性の方だけでなく、美容やアンチエイジングに気を遣う女性の方にも、世界一ヘルシーと言われる日本型の食生活はおすすめです。